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IT依存一歩手前?

あけましておめでとうございます。新たな年を迎え、気持ちも新たに仕事に向かわれていることと存じます。正月休みは、束の間でしたが、過ぎ去った年を振り返り、また1年前向きに進む気力を充実させることができました。

昨年の日経MJヒット商品番付によりますと、東の横綱は5月に開業した「東京スカイツリー」、そして西の横綱は昨秋あたりから機種が増えている「7インチタブレット(多機能携帯端末)」ということでした。7インチタブレットは、グーグルの「ネクサス7」を皮切りに、サムスン電子の「ギャラクシータブ」、そしてアップルの「iPad mini」が発売され、機種数が充実したことも、その増加に拍車をかけたそうです。

私も、昨年の夏に普通の携帯電話が故障して以来、スマホユーザーになりました。スマホのバッテリーは、普通の携帯よりも消耗するのが早く、朝にフル充電にしておいても、夕方には切れていることが多いです。そのため、最近、ハンドバッグが重いです。スマートホン、充電器、予備のバッテリー、タブレット、Wi-Fiルータこの5つが持ち歩きの定番となっています。この他にウルトラブックと言われる小型のPCを持ち歩くこともあります。

以前に比べて荷物は確かに重いのですが、この状態にしておくことで、出張時でも、連絡に事欠くことがありません。例えば、ドコモのスマホをテザリングで利用すると、海辺でも、山の中でも、携帯の電波が届くところであれば、どこでも仕事ができるのです。昨年は、出張する機会が多かったため、これらの情報端末には、かなり助けられたように思います。飛行機で空を飛んでいる以外、バスの中でも、電車の中でも仕事ができます。

一方で、「デジタルデトックス」なる言葉もよく耳にします。「無線LANがつながらないとイライラする」「SNSサイトを頻繁に確認してしまう」などなど。
デジタル依存症とでもいうのでしょうか。ITの進化でいつでもどこでも誰とでもつながるようになったため、つながっていないと不安になり、かえってこんな悩みがでてくるようです。そこで、デジタル環境から距離をおく「デジタルデトックス」に注目が集まっているそうです。スマホを持たずに出かけたり、パソコンを使わない時間を決めたり。業務時間中のITの使い方を見直す企業も現れています。インターネット依存専門外来という診療科も登場したようです。

さて、最近気になるのが、デジタル依存症のみならす、IT機器が、人と人とのコミュニケーションをかえって遠ざけてしまっているのではないかということです。幼少期から、通信ゲームに向かい、不特定のトモダチとネットでは会話できるがリアルの友達と遊べない子供たち、好きな子ができても告白が出来なくてバーチャルな恋愛をする若者、ビジネスの世界では、メールでしか指示が出せない管理職などなど。

私の日常生活の周辺でも、このような一見奇妙なことが増えつつあります。これらの現象は、IT端末を睡眠時以外持ち続ける私にとって、他人事と思えなくなってきています。「この重いバッグ、ないと不安だけど・・・」と思っていると
「正月ぐらいは、放してごらん」そんな声がどこかから聞こえてきて・・・
半日ですが、全部置いて身軽になって初詣に出かけてみました。結果は、ご想像にお任せしますが、「週1回ぐらいは、こんな日も作らないと」と、賢いIT機器との付き合い方を真剣に考える必要があると実感したのでした。